お彼岸は自分と向き合う「六波羅蜜」

「六波羅蜜」

春のお彼岸。春分の日を「お中日」として、前後3日間を合わせた計7日間です。

太陽が真西に沈むお中日は極楽浄土の世界に通じやすくご先祖様との対話が出来る日として供養やお参りをする日とされています。では残りの6日間は?

仏教では「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼び、悟りを開くための6つの修行を意味します。

ご先祖が投げかける6つの課題

お彼岸は供養やお参りのためだけにあるのではありません。仏教では、六波羅蜜を実現することで悟りの境地に至る、極楽浄土へ到達できるとされています。仕事や家事に追われる毎日、自分自身をゆっくりと省みる器もなかなかないものです。今日から迎えるお彼岸を機に、「六波羅蜜」を1日ひとつずつ実践することで、自分自身を振り返ってみるのはいかがでしょうか。

  布施 感謝の気持ちをもって施す

  持戒 決まりを守り、相手を尊重する

  忍辱 怒ることなく、堪え忍ぶ

  精進 向上心をもち、努力する

  禅定 常に心の平静を保つ

  智慧 真実を見極める眼をもつ

1日目は「布施(ふせ)」

「与える」という意味で、感謝の気持ちををもって人の役に立ち喜んでもらえるだけで良いと思える心です。与える物はなにも形あるものだけではありません。周囲の人々に対して笑顔で接するように心がけたり、温かい言葉をかける、お年寄りや身体が不自由な方に手を貸し、困っている人を助けることも「布施」となります。

2日目は「持戒(じかい)」。

読んで字の如く、「戒めを保持すること」つまり「決まりをきちんと守ること」です。仏教には基本的な5つの戒め(命を粗末にしない、盗まない、淫らな誘いにのらない、嘘をつかない、心を酔わせるものに依存しない)があります。毎日の生活で、最低限守るべきとされる戒律です。「戒」は「戒め」だけてなく「慎む」という意味も含んでいます。決まりを守ることは勿論、自分勝手な振る舞いを慎み、お互いに相手のことを尊重し譲り合う、そんな生活を心掛けましょう。

3日目は「忍辱(にんにく)」です。

いわゆる「忍耐」のことです。何事にも寛容であり、怒りを出さずすべて自分の中で消化し、責任をほかに転嫁しない、どんな困難・屈辱をも堪え忍ぶことを言います。自分の人生を背負い込む覚悟をもち、悲しいこと、辛いことも、しっかりと

受け止めることです。今日一日は、自分が普段どういうことに怒りを感じそれを表に出してしまうのかを観察してみましょう。

ご先祖様に感謝し自分自身を省みる

お中日を挟んで、

5日目は、「精進(しょうじん)」。

「努力」「励む」という意味ですが、「正精進(しょうしょうじん)」つまり正しい努力でなければなりません。極端な努力、苦行にも似た努力は、仏教ではむしろ良くないとされています。良い結果が得られてもそれにおごることなく、さらなる向上心を持って継続すること、最善を尽くして一歩一歩努力することを言います。笑顔を浮かべながらがんばれる楽しい努力、それが「精進」だと考えて下さい。

6日目は「禅定(ぜんじょう)」。

「禅」とは静かな心、不動の心という意味です。「定」は心が落ち着いて動揺しない状態を意味し、つまり禅定とは心身を安定させることを言っています。どんな場面でも、常に動揺しりことなく心の平静を保つこと、雰囲気に流されないことです。

最後の7日目は「智慧(ちえ)」です。

智慧とは、深い洞察力のことです。単なる知識や既成の価値観ではなく、偏見や思い込みにとらわれず物事をできるだけ公平に見ようと努力すること、真実を見極める眼を持つことを言います。信じるべきは自分であり、そのありのままの自分自身のこともしっかりと見つめて見ましょう。

1日目からお中日を挟んだ7日目までの6つの課題は、仏教に元来伝わる教えではありますが、現代生活を送る私たちにとっても多くの示唆に富むありがたい教訓となってくれます。

日本のうるわしい習慣に命のバトンを考える

春の訪れは、緑が芽吹き、花が咲き、新しい生命の生まれを感じる、とても喜ばしいもの。その時期に行われるお彼岸は、四季の変化に富む日本の古き良き風習と言えます。

本来、亡くなられた方やご先祖を供養するのに、決められた日はありません。

お彼岸はもちろんんですが、敬いや感謝の気持ちが起こった際には手を合わせるなど、おりに触れて故人やご先祖に思いを馳せることが大切です。





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